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[グラフィックデザイナー] 南嶌 宏

轟 多朗イメージ


本イメージ

上通の印象について

上通りは本屋の多いところである。この街で生まれ育ったわたしは、子供の頃からよく本屋へ通った。近所の本屋は馴染みであり、ポケットにお金がなくても、欲しい本はレジで名前を言って持ち帰ると、親の方へ請求書が届く仕掛けになっていた。そんなこともあり、わたしは本のというより、本屋の中毒になってしまった。今でも週に何度か本屋へ行く。よその町へ行っても、本屋から出る電波に吸い寄せられる。
近所の本屋へ行ったり、お茶を飲んだりするのも、わたしにとっては、小さな散歩である。そして、お気に入りのコースを辿る、この小さな散歩こそが街を楽しむ大きな要素であると思う。わたしの望みは、この町に住む人も訪れた人も、気分や用件や季節に合わせて、自慢したくなるような自分の散歩コースを持てるような街に育っていってほしいと思う。この街には、それに応える要素は数多く、散歩の宝箱かもしれない。


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