TOPページ > 上通人 > 葉祥明

葉祥明

[画家・詩人・絵本作家] 葉 祥明

私の上通町

私は昭和二十一年の夏、すなわち、大平洋戦争の翌年に、草葉町に生まれ、数年後、上通町の現在パビリオンがある場所で、小学校六年まで過ごしました。だから、上通町は私にとって、我が家同然です。特に、両隣りと前の店の人達とその家族とは顔馴染み、よく行く近所の店の人々もまた、親戚のような感じでした。熊本特有の夕立ちの太い雨粒が道路を打つ様に見とれ、肥えご集めの馬車が行き、オート三輪が走り、水害の後始末に、自衛隊のブルドーザーがやって来た。そんな思い出ある上通町はまさしく、人と物が行き交う『道』だったのです。

心の風景〜故郷熊本〜

そんな生まれ育った故郷 熊本で、印象深いのは、広々とした、丘また丘の、連なりのある阿蘇。そういう、空が広くて、大地も広い世界が、子供の頃から心に残ってまして、広い世界の中に木た一本立ってたり、家が一軒建ってたりというのは、僕の心象風景なんですね。
それと、世界、自然、地球っていうのは広大なものなんですが、そういう所に点々と、人間の営みの表れであるところの家や、自転車、また、動物や植物がいる。そういう、広大な自然の中のぽつんと小さな存在、命の存在。それを表現したい。人間も動物も、本来は慎ましい存在なんだと。そんな謙虚な気持ちっていうか、あり様を、僕は知らない間に表現していたみたいですね。
人や家など、真ん中にボーンと大きくは描けないんです。何か横暴な気がして。僕が描く絵は、最初は慎ましい存在だったのに、地球の環境を変えるほど、醜い、大きな力を持ってきた人間に対して、反省というか、異議申し立てをしていることでもあるんだなと思います。ですから、僕の絵を見ることで、やすらいだり謙虚になってもらったり、でも、もう一つ言えば、この自然、宇宙、あるいは神様から、存在を許されてるんだなっていう喜びをも、感じてもらえればいいなと思います。  


Pagetop